昨日は、俳優田村正和氏の訃報ニュースで明け暮れた一日でした。先月亡くなられ一カ月以上遅くのこの報道、ご本人の意思も反映してとのことです。昨日は多くに時間、田村正和関連の番組やビデオを見て過ごしました。

そして一夜明ければ、新たなカップルのおめでたい話題、昨日のことがすぐにも忘れられてしまう昨今。世の中は目まぐるしく変化に富む中、新型コロナ感染の悪夢だけは、1年半たっても一向に終息の気配を見せてくれない日本。力強い指導者のリーターシップが問われだしました。

いつになったらワクチン接種が済むの? 抽選で接種者を決めるような馬鹿な話はないでしょう。おまけにワクチン接種詐欺までもが横行する世の中。

暗い記事はここら止めて、今朝ゴミ捨て時に見た細やかな喜びです。

何日か前に1輪しか咲いていなかったザクロの花が、今日は沢山咲いていました。

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そしてビワ、梅もたわわの実が生っています。昨日スーパーで目にした梅酒漬けの青梅、こちらの梅はもう少し大きくなったら収穫して今年も梅酒を作りたいと思っています。

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おまけの話、今新聞を読んでいて楽しみなのは、日経新聞の連載小説「ミチクサ先生」伊集院静著。

今日の気に留めておきたい文章、これは夏目漱石と寺田寅彦とのやり取りの中での言葉。

夏目 「ほら、いつか熊本の家で君に話をしたことがあるでしょう。君が五高の学生だった頃、俳句に夢中だった時、教頭から俳句などにうつつを抜かさず勉強に専念しろ、と言われて相談に来たことがあったでしょう。」

寺田 「はい、よく覚えています。先生は私に、庭の築山を指さして、あの築山のてっぺんに登るのに、真っ直ぐ頂上を目指す者もいれば、裏の方から這い上がる者もいるだろうし、まったく違った径(ミチ)から登る者もいる。径の間違いで滑り落ちる者もいるだろうが、落ちることは大したことではないとおっしゃっていました。落ちたり、疲れたり休んだり、あちこちでいろんな体験をした方が、山の違ったカタチや肌ざわりにも触れることができるから、若い時は、いや歳を取ってもからでも、その方がいろんなことが身に付くんじゃないか。人生で言えば、ゆたかな人生路を歩んでいるんじゃないか、と。私は勝手に” ミチクサ人生路”と呼んでいます」

同感です。ドライブ中同じ道で引き返すのが嫌いで、ナビゲーションシステムが車に付いてなかった頃は、時々道に迷うこともあり、その時「右か、左か、真っ直ぐか?」おそらくの想像で行き先を選択し、時には行き止まりやら、細くなった道で更に迷い、引き返したこともありました。

自分の人生を振り返ると、やはり同じ様な生き方をしてきました。

度重なる17回程の転職、50代前半で大きな竹やぶに入ってしまい、長い時間さまよい続けた時期もありました。

でも、いろいろな体験をして生きて、今の自分がいることに間違いありません。

自分の選択を信じた生きざま故、今の自分がある。自分の存在はかけがえのないもの。

今では少し自分に誇りを持てるようになりました。