「絵画は私の命です。これを取り上げられてしまったら、生きていけないでしょう。絵画は今まで私を支配してきたし、これからもずっとそうがと思います。
絵画は全てを破壊し、食い尽くすものであり、ごまかしを許さないものですから、描き始めた瞬間から自分を見失ってしまうものです。
時が過ぎていくのは当然のことです。だから生の次に死が来るのも、全く自然な流れです。人は死に苦しめられていますが、私は喜んで受け入れます。
今までに何度か自殺を試みましたが、うまくいきませんでした。私にとって死とは不都合がなければ、むしろ好ましいものに思えるのです。」
この文章を読んで、死の恐怖を感じていない彼の生き方、感覚、感情はいかなるものか?
少しは理解出来る。男の美学とでも言おうか、この強がりは一種の男気だと思います。
老衰や不治の病で死にざまを受け入れるよりも、生きざまを象徴するまま死にざまも自ら選んで終えたい美学は私にもよく解ります。
最後に、ベルナール・ビュッフェ晩年の自宅シャトウでの華やかな暮らしぶりと、孤独感漂う彼の一枚の写真を提供し終りとします。