今日の午前中、一宮三岸節子記念美術館で開催中の「筧忠治展」を見て参りました。

タイトル副題に「自画像を描き続けて80年」・・・すご~い人がいたもんだのひと言。

展覧会の御案内はこちらで http://s-migishi.com/tenran/index_2.html

我が郷土出身の画家で、全国区では無名に近いかも知れないが、彼の絵を見た者はあの淒ましい眼光のデッサンに、一度見たら忘れられないほどの迫力、不動明王に出くわした様なショックな衝撃が、伝わる絵ではないでしょうか。

私が高校生の時、同級生にこの筧(かけひ)という名字の娘がいて、今まで聞いたことのない名字だったが、出身の旧尾西市(今は一宮市、三岸節子さんのご出身地)には数軒ある名字で、きっと筧忠治さんもこの地域のご出身と想像した。

筧忠治(1908~2004)は、現在の一宮市萩原町東宮重に生まれ、同市小信中島で機屋(はたや)を営む父のもとで幼少期を過ごしました。

9歳の時に、名古屋市中区上前津に移転し、高等小学校卒業後に愛知県測候所(現、名古屋地方気象台)に勤務するようになってから画家を志しますが、画壇との交流もなくほとんど独学で絵を描き続けました。

絵の様相とはとても似つかない穏やかな風貌の画伯(1999年10月31日撮影、91歳)

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「藤蔓(ふじかずら)を冠した自画像」(1935年頃)

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「正面の顔」(1956年頃)

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「藤蔓を冠した年老いたる自画像」(1996年10月)

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油絵「男の像Ⅰ」

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油絵「セーター姿の老人像」

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油絵「虫眼鏡を持てる老母」 197cm×160.5cmの大作だが、絵の具の厚塗りときたら普通でない、まるでコンクリト壁の様な分厚さ。

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そして猫のデッサン、私が尊敬する藤田嗣治画伯も猫好きで、沢山の猫の絵があるが、筧さんは眼光鋭い野良猫ちゃんたちをモデルにしてるところが、この人らしい。

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再び晩年の筧画伯の穏やかな表情(1999年10月31日、91歳)。
「ミーミーラン、女ばかり描いてないで男や風景、花なども描いてみなさいよ。」と言われてるような気がする。

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こんな表情を鏡に映してデッサンされてた様子。(1999年11月3日、91歳)

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自宅アトリエにて(2000年4月12日、92歳)

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