特に、独特の画法とか展覧会未発表の絵は、有名画家の場合、事前に見られてあれこれ批判されたり、発表前に報道されるのを嫌い、アトリエへは入れない主義の画家が多くいます。
先に紹介した(http://blogs.yahoo.co.jp/atoriemimiran/35840288.html)藤田嗣治もその典型で、彼自身が考案した乳白色の地肌の作り方や墨を使った技法を他人に知られることを嫌い、訪問者があるとキャンバスをシーツで覆い隠していたという話は有名である。
それ故にか、他人は画家のアトリエには、少なからず興味を持つし、画家とモデルとの関係は?とまで詮索したくなる。綺麗で若い女性モデルを使えば、奥型のやきもちも生まれてくることも然りだ。
従って、土門拳が藤田のアトリエで撮影した写真は、貴重なものであり、藤田も土門の撮影の腕をかって、しかも同業でないカメラマンを信頼していたから撮影させたのだろう。
こんな経緯から今春、書店で偶然見つけ、手に入れた洋書で美術画集ルシアン・フロイド(Lucian Freud)の
アトリエ風景及び彼の絵画を紹介いたします。
ーーーーー「西洋絵画の読み方2」(ジョン・トンプソン著)によるとーーーーー
「ルシアン・フロイドは1922年にベルリンに生まれた。彼は精神分析学の開祖ジークムント・フロイトの孫である。一家は1933年にロンドンに移った。
フロイトはデダムのイーストアングリア絵画素描学校で、画家のセドリック・モリスに学び、その後ゴールド・スミス・カレッジに移った。」とある。
今日アップした、アトリエで制作中の写真を見てお解りのように、近年の彼の絵画は、裸体人物画が多く、しかも性器をまるまる描いたものがほとんどで、写真掲載に支障があると思い、写真をペイント塗りで隠したが、何だかおかしいので、画集からの写真そのものをスキャンアップしました。