昨日、公園で読書の跡、隣接の荻須高徳記念美術館へ立ち寄り、
三岸節子記念美術館で、「桜井浜江の回顧展」を開催している事を知りました。
以前「新日曜美術館」で彼女の迫力ある作品が紹介されていたので、
自分には無い画法の画家だけに、本物を見てみたかった。
キャンバスに塗りたくられた分厚い油絵具、鮮やかな色彩、40才代を
過ぎた後半生からの絵は、激しくも力強く、迫力ある画面で見る者を圧倒させる。
一方、三岸作品も以前と作品が替わり展示してあった。桜井の絵を見た
後なだけにか、三岸作品がおとなしく見えてしまう。そして、彼女に作品の
色調が実に品格があることを今日発見した。
掲載写真は、三岸節子の若い時の写真(モノクロ、上から順に12才、20才、
25才頃の夫 好太郎と、晩年の節子)若い頃から清楚なお嬢さんで可愛い。
若い頃はモガ(モダンガール)の感じで良い女を演出してたようだ。
今日一番印象に残った事、それは彼女の生家跡に建設されたこの美術館に対する
お礼を綴った文章にある。
あの浮気者の三岸好太郎との10年間の生活に対し、画家としての厳しい生き方を
教わったお礼と、2番目の夫、菅野圭介からも更に肉付けした生き方を教わった
お礼を書きとめ、こうして公表する節子に心の内は、もっと奥底で二人の夫に対し
怨念のようなものを薄々感じさせられた。
それがあの三岸節子独特の男性以上に迫力にある画面を創りだしたのではないだろうか。
離婚しても旧姓に戻さない、私にもそんな女性が一人おりました。
アーアー、クワバラ、くわばら、桑原桑原・・・。