錯視芸術家シリーズ、第4弾は今回のシリーズ第1回「モナ・リザ」で紹介したオクタビオ・オカンポです。 第1回の記事は  http://blogs.yahoo.co.jp/atoriemimiran/40826866.html

メキシコのアーティスト、オクタビオ・オカンポは、知覚的に「180度転換」する肖像画や宗教的シーンを作る専門家である。

彼の作品は長時間見つめているほど沢山の内容が見えてくる。花々は顔になり、山々は互いに語り合い、棺の上の哀悼者はキリストの顔になる。

敬虔なカトリックであるオカンポは、その作品に宗教的、世俗的な象徴を吹き込んでいる。

イメージ 1

彼は自分の作品について、次のように説明している。

「自分の作品の特別なスタイルをどう定義するか探していたとき、私はある実験をやってみました。私の構図の中に頻繁に変容するイメージが現れてくるのに気づいたため、それをアートの分野での重要なもの、素晴らしいものとして採用することにしたのです。」

オカンポは彼の変容へのインスピレーションを誘うものをいたるところに見出した。雲の中、樹木、水、人物、映画、書物、写真、その他の多くのものの中に「私は起きているときでも眠っているときでも、その解決策をみつけられるようです。」と彼は言っている。

「いったん私の心の中で完成してしまうと、そのアイデアを物質化するための技術的な面だけが残るのです。」

オカンポは、自分の作品をみる人を、その第一印象によって、その美しさや恐怖感によって引き込もうとしているという。しかしそれはただ最初のイメージにすぎない「やがて、観る者たちは2番目のイメージ、3番目のイメージがあることに気付きます。そしてこれらのイメージが最初のイメージとは全く違う感情的なメッセージを運んでくることに気づくのです。」

「ループ」 キャンバス 油彩 1982年作
これは1930年代のメキシコの映画スター、ループ・ベレスの肖像で、悲劇的な激しい人生を描いている。

イメージ 2

「ハリウッドの虎」 キャンバス 油彩 1982年作
ハリウッド映画のアイドル、ジェームス・ディーンの肖像。

イメージ 3

「マレーネ」 キャンバス 油彩 1983年作
1940年代の映画スター、マレーネ・ディートリッヒを描いたオカンポのこの肖像は、あいまい図形の名作である。毛皮のコートの細部、トレードマークの帽子とハンドバックがその顔に美しく溶け込んでいる。

イメージ 4

「天体」 キャンバス 油彩 1994年作
顔と手が天使の姿で作られている。

イメージ 5

「棕欄の日曜日(パームサンデー)」 キャンバス 油彩 1994年作
オクタビオ・オカンポは、パームサンデーのイメージのなかに、キリストのエルサレム入城を描いている。

イメージ 6

「薔薇の奇跡」 キャンバス 油彩 1996年作
「薔薇の奇跡」はクアデループの聖母マリアの物語のクライマックスを描いている。この絵に描かれているのは、聖母マリアからの証言を持って、ファン・ディエゴが司祭の面前にやってきたときの最高潮のシーンである。
彼は着テイタタバードをさっと開いて、驚いている司祭に薔薇の花を浴びせかけた。そのタバードの前部に聖母マリアの象徴が消えることなく印されているのを見せるためであった。このタバードはいまなお、聖母を讃えるために建てられた大聖堂でみることができる。
 
イメージ 7